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雪がやんだ夜 [日々]

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 朝、テレビで録画してあるドキュメンタリー番組を見ていました。画面は雪が降りしきる北海道の街でした。急に画面が大きくなったような気がして目を上げると、テレビの向こうの窓いっぱいに雪が吹雪いていました。まるでテレビ画面とリンクしているみたいでした。

 地面があっという間に白くなりました。もちろん、北海道のそれとはくらべものにはなりません。白く薄く掃いたようで積雪と言える厚みはありません。その後いつの間にか消えてしまい、また降ったりやんだり吹雪いたりと繰り返しの一日です。


 お正月が過ぎてもう10日経ちました。SSブログが3月末で終了するというお知らせがあってもう少しで2か月になります。12月中旬から移行プログラムも配信され、なんとなく私の周りも落ち着きません。

 早々とSeesaaブログに移行される方、別のブログサービスに移られる方、これを機会にSSブログを去られた方、SSブログの終了とともに去られる方、まだ何も態度を表明されていない方と様々です。

 移行を済まされた方から新しいURLが届いていますが、まだお気に入りに登録できていません。3月になったらなくなってしまうこのブログに登録するのも変な話です。

 私自身どうするべきか、いまだに決まっていません。Seesaaブログに移転するのが一番簡単で楽だとは思うのですが、ほかのブログも気になったりしています。

 とりあえず移行だけは済ませて、その後のことは3月末までに決めても良いかなと思っています。ただ日々はまだこのSSブログにあって、なかなか切り替えができていません。



 一日降ったりやんだりだった雪は夜にはやみました。積雪はありません。
こんな夜は、静かにレコードを聴くのも良いですね。曲はStardust 演奏はLester Youngです。



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妻と歩く [日々]

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 今年もジョウビタキがやってくる季節になってきました。写真は去年の10月20日に撮ったものです。今年は暑いので遅いかなと思っていましたが、同じ頃に鳴き声を聞いたり姿を見たりしました。ただ写真はまだ撮れていません。

 今日から11月です。あっという間の10月だった気がします。半分以上9月だったのではないかと思うほどです。去年の夏も暑くて、10月になってやっと爽やかなお天気になったので期待していたのすが、すっかり肩透かしをくらいました。10月らしかったのは、孫たちの運動会くらいです。

 ようやくここ一週間ほどでこの時期らしい気候になって来たように思います。慌てて毛布を出したり上着を着込んだりしています。それでも明日は台風の大雨とか、本当に今年は異常過ぎる気候です。


 妻が退院して2ヶ月あまり経ちました。毎朝、妻といっしょに散歩をしています。私が歩いた方が良いと何度誘っても乗ってこなかったのに、三度目の外来診察に行った時、主治医に家事はしてますか、歩いていますかと問われたそうです。

 その翌日から歩くと言いだして一月ほどになります。と言っても2,000歩ほどから多くても3,000歩、主役は妻なのでそのペースに合わせています。時間にして30分ほどでしょうか。歩く前は人に会うのが嫌と言っていましたが、途中、知り合いに出会ってお喋りするのも楽しそうです。

 ただ、私は妻の歩調に合わせるのに苦労しました。一人で歩くときはさっさと歩くので、ゆっくり歩を運ぶ妻のペースに自分のリズムが合いません。合わしていると何だかこちらの方まで調子がおかしくなりそうでしたが、最近はずいぶん慣れてきました。

 たまに歩き足りないと、ひとり自分のペースで歩きます。その時は、いつも通りさっさと歩けているので妻のペースが乗り移ってしまったということはなさそうです。

 散歩はひとりであれこれ思ったり感じたりしながら気ままに歩くのが好きでした。たまに奥さんと歩かないの、と聞かれることがありました。すると私は、家でずっといっしょなのに散歩までいっしょに歩きたくないなどと答えていたものです。

 お喋りはそれほどしません。今日は風があるなぁとか、ご近所の様子を語り合って他愛も無い世間話をする程度です。日によって少しコースを変えたり、妻の調子によって早めに切り上げたり少し長目に歩いたりしています。

 一度、用水路沿いを歩いていたらカワセミが二羽、もつれるように水路を飛び交っていました。ちょうど朝日が当たっていて、カワセミの背のコバルトブルーが鮮やかにきらめいていました。それを見た妻がきれいと呟きました。私はまるで自分が見せてやったみたいに自慢げに、カワセミという鳥だよと教えました。

 妻は病気になる前は、いたって丈夫な人だったのであまりいろんなことを心配させない人でした。それに安心していたのか甘えていたのだと思います。ずっと長い間そうしてきたと思います。しかし今や事情は変わりました。

 妻が病気になってようやく妻を思い、いたわると言うことに目覚めたのかもしれません。もちろんまだまだではありますが。そう思うと妻のペースに合わせて一緒に歩くのも悪くないことに思えてくるこの頃です。

 
 

 ドジャースに敗れたニューヨークは、今まさにこの気分かもしれません。歌はおなじみのエラ&ルイです。

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時の流れ [日々]

1-DSC_3480.JPGコスモスとナミアゲハ

1-DSC_3623-001.JPGヒガンバナにはキアゲハ

1-DSC_3631-001.JPGこのキアゲハは裏返っています。

1-DSC_3738.JPGあいにく曇り空でしたが、お決まりのお隣のアンテナにモズ

1-DSC_3704.JPGシジュウカラ再挑戦です。桜の枝が多くてまた枝かぶりです。

 今日10月3日は雨降りです。朝から激しく降ったり小止みになったりしながら一日中降り続きました。雨の無い夏日や曇り空の日が続いていて、久し振りの雨でした。

 雨の日は気温も下がって静かに感じられます。聞こえてくるのは雨音ばかり、野良仕事も一休み、部屋で音楽を聞いたり本を読んだり、テレビを見てゴロゴロ過ごしました。

 明日で妻が手術をして丸二月になります。そして明日は三回目の診察の日です。季節が変わったこともあって、あの頃のことが凄く遠いことに思えます。毎日通った病院さえが懐かしいような気がします。

 退院して約40日、妻もずいぶん回復し安定てきたように思います。穏やかな妻の顔を見ていると何事もなかったかのようです。

 もちろん病み上がりの身体のうえ、再発はアウトと言われているので油断は出来ません。今はただこの平穏な日々を時の流れの恵みのように感じています。

 


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 先週の木曜日、草津にあるジャズバー「コルトレーン」へ行ってきました。ブログ仲間のジャズピアニスト小野孝司さんがはるばる滋賀においでになって、演奏されるというので久し振りに生演奏を楽しんで来ました。

 小野さんの演奏は東京でも一度聞いたことがあります。今年閉店した銀座シグナスというお店でした。たぶん5年あまり前だったと思います。今回はピアノトリオ、一番前の席で生演奏の音をシャワーのように身体中に浴びました。

 小野さんが選ばれたセットリストは、なかなか渋い演目でした。紹介される作曲者や演奏家の名前は聞いたことがあっても、ほとんど初めて聞く曲ばかりでした。

 バラードはピアノの音色が美しく、ピアノ、ベース、ドラムが一体となって重なり合うスイングは乗りが心地良くて楽しかったです。

 休憩を挟んで二時間あまりのステージはあっという間に過ぎて行きました。久し振りのジャズライブ、仕事を辞めてからずっと田舎に籠もってばかりいたので良い気分転換になりました。



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モズが秋を呼んでいる [日々]

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 朝、家の裏の桜の木にシジュウカラのつがいが来るようになりました。
 久し振りにカメラを持ち出して撮って見ましたが、ちょっとピンボケです。

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 シジュウカラが来ると、どこからともなくイソヒヨドリの雌がやってきて
 お隣の屋根の上で監視しています。
 そうするとシジュウカラはいつの間にかいなくなってしまいます。

 15日頃から、今年もモズの高鳴きを聞くようになってきました。
 まだ姿は捉えられていません。
 しきりに鳴いてからまたどこかへ飛んでいきます。

 モズは一年中日本にいる留鳥ですが、毎年今頃やってきて高鳴きをします。
 秋を告げにやって来るので、長い間、冬鳥と思っていました。

 今年はお彼岸になっても35度越えの猛暑日が続いています。
 それでもモズは9月の中旬になるとやってくるようです。
 去年の記録はありませんが、一昨年のブログを見ると9月中旬からでした。

 さすがに植物はこの猛暑に日を合わせきれないようです。
 毎年お彼岸前にはピタリと咲き始めるヒガンバナ
 今年はまだ蕾も見つけられません。

 天気予報では、明日から三連休にかけてようやく猛暑が収まるようなことを言っています。
 雨が降って気温が下がるとヒガンバナもいっせいに咲き始めるのではないでしょうか。

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 中秋の名月の翌日、お月様があまりにきれいだったので撮って見ました。

 びっくりすることがあった我が家もほぼ一月近くが経って、
 少しずつ日常を取り戻しつつあります。

 慣れない妻との散歩はまだ時折です。
 もう少し涼しくなったら回数を増やせるかも知れません。



 暑すぎた今年の夏、この歌をゆっくり聴ける宵はもうすぐでしょうか。 


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我が家の暑い夏 [日々]

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 去年の今頃、妻と二人で北海道を旅しその最終日に小樽の友人が天狗山に連れて行ってくれたとき、撮った写真です。

 暑さと急な妻の手術、入院で散歩が全く出来ていません。一眼どころかスマホのカメラも使えていません。あれから一ヶ月、病み上がりの妻を伴って散歩をしたいと思うのですが、残暑の厳しさにまだ実行できていません。

 
 医大の駐車場は病院玄関から少し離れたところにあります。駐車場から病院玄関に続く舗道には日よけ雨よけのアーケードがかかっています。平日はその通路を患者や見舞いの人、病院のスタッフとおぼしき人々が大勢行き交っています。

 見舞いは2時から5時まで、少し遅い時間に行くと日の光が斜めになって、日よけの影が道路側にずれてしまいます。病院玄関に入ると冷房が効いているのですが、駐車場から玄関までの道のりの暑さがけっこう堪えました。暑さに閉口しながらこの道を真冬に通ることを想像し、それはそれで厳しいだろうなと思ったりしました。


 妻の病は急性動脈解離(スタンフォード型A)でした。もともと体力のある人だったので、医師も驚く回復力でICU、個室を短期間に抜けて相部屋に移動していましたが、私を悩ますことがありました。

 せん妄と言う脳の混乱です。手術のあとに出ることが多いそうです。普通は一週間から10日ほどで消えるそうですが、妻はいつまでたっても妙なことを口走ったり、日付や時間、場所の混乱がありました。

 気に掛かることがあるとずっと同じことを言い続けたり、時間と空間の感覚が狂っていてよくとんちんかんなことを言っては、我々を悩ましたり笑わせたりしました。

 ICUから個室に移動になる時、看護士さんから必要なものの連絡をいただいたとき、本人が欲しがっていると言うのでスマホを持っていったのですが、これがいろいろな問題を起こしました。

 お寺のグループラインに意味不明の写真を送ったり、夜中の四時半に親しい友人に電話をしたり、息子や娘に「今、韓国にいる」とか「これから帰るから」などと電話をしたりしていました。

 妻がグループラインに送った写真は冒頭の写真によく似た天狗山からの風景でした。あとで妻のスマホのフォルダを調べてみると確かにありました。

 しかし、受け取ったグループラインの人たちは、手術を受けて入院しているはずの妻から突然写真が送られてきて、しかもコメントがないのでちょっとした騒ぎになったりしました。

 不思議なのは、妻はラインへの写真の送り方など知らなかったはずなのに出来ていることです。妻に指摘すると、誰かが私のラインを乗っ取って送ったのだと言い張りました。慌てて電話を取り上げたこともありました。

 せん妄は波があって調子の良いときはあまり出ないのですが、それでも面会中に一度か二度は会ってもいない人に会った話とか、自分の居るところがはっきり分からないようなことを言うのでした。

 一度、夜の8時過ぎに興奮状態で私に電話をしてきました。まわりの人が信じられないとか、私はここに居てはいけないんだとか、私はどうなっていくのと凄く不安がるのです。

 電話口でベテランらしい看護士さんがなだめてくれる声が聞こえていました。緊急手術を受けた人は皆さんそうなるのだと、一緒です、大丈夫ですと懸命に慰めてくれていました。最後は鎮静剤を処方してくれたようでした。

 落ち着いたようだったので、その電話を切ろうとしましたが切れません。電話を切るボタンが見当たりません。いろいろ操作していると、なんとその電話はテレビ電話になっていて、妻の顔が大写しになっていました。

 妻はテレビ電話のやり方を知らないし、顔が大きく映るので孫からかかってくるのも断わっていたくらいです。どうしてそんなことが出来たのでしょう。

 見舞いに行っても、調子の良い日もあれば調子の悪い日もあって、ある日、凄く調子が悪くて笑顔がありません。私の顔をしっかり見ようともしません。これは入院長引きそうだとがっかりして帰りました。

 ところがその翌日、医師から退院の連絡がありました。まだせん妄があると医師に訴えると、それは病院という環境が良くないからと言うことで、退院日が決りました。

 退院の時、担当の看護士からは薬と血圧の管理、傷口の手当て、そして見守りまで言われました。夜中に徘徊の可能性もあるというのです。退院の安堵も吹っ飛ぶ気の重さでした。介護認定を受けることを奨めてくれる人もありました。

 退院日は、息子が付き合ってくれて私の車で帰りました。それからもう2週間になりますが、医師の言ったとおり家に帰るとせん妄はすっかり姿を消しました。時々記憶が混乱することがあるようですが、それは物忘れ程度でせん妄と言うほどではありません。

 もちろん、まだ身体のあちこちが痛いと言ったり、細かなことが出来なかったりと万全ではありませんが、少しずつ家事にも立つようになりました。人と会うと以前と変わらなく振る舞いますが、後でひどく疲れるようです。やはり自然と無理してしまうようです。

 入院中の妻の逸話は枚挙にいとまがありません。ある日、面会に行くと担当の看護士さんが私に真っ先に言いました。「昨夜、奥さん床で寝ていたんですよ」と。その夜担当した看護士さんは足下に顔があって驚かれたそうです。もちろんベッドから落ちたわけではないと付け足してくれました。

 また、これはせん妄とは違いますが、妻は手足は何ともないのでリハビリはいつもバイクを漕いでいたそうです。担当の看護士さんが言うには、それで20キロ漕いだのだそうです。20キロというと、我が家から医大までの距離にほぼ匹敵します。とても4.5時間の血管の手術を受けたばかりの人とは思えない驚きの体力です。

 皆が知っているせん妄の混乱振りを妻はほとんど覚えていません。一時はどうなることかと心細い思いをしたこともありましたが、今はそんなことが笑い話に思える日が近づきつつある気がしているこの頃です。

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見舞いの帰りに書店に寄る [日々]

 毎日暑い日が続いています、と二週間前と同じフレーズになってしまいました。その間にオリンピックに高校野球も始まりだしました。オリンピックが終わり優勝校が決まるころは、少し暑さも収まっているのでしょうか。

 昨日と今日は宮崎と神奈川で大きな地震がありました。該当される地域の方は不安な夜を過ごされていることと思います。被害が少ないことを祈ります。



 妻が8月4日、お寺でお墓参りのお勤め中に急に背中の激しい痛みを訴え倒れました。すぐに救急車で近くの病院へ行き、検査してもらったところ動脈剥離の疑いがあるということで、更に県立医科大学付属病院へ救急搬送され緊急手術を受けることになりました。

 ちょうど日曜だったので、息子も駆けつけてくれました。医療スタッフからは生存率50%のうえ合併症の可能性を説明され、何枚もの同意書にサインさせられました。

 夜8時、手術が終わり成功したことを医師から告げられました。ICUで面会した妻は当然眠っていて、顔から首にかけてバンバンに腫れていて人はこんなに腫れられるものかと思いました。息子は、誰かわからずヘアースタイルで確認できたと言ってました。

 医師からは手術が成功したということだけで、先のことはわからない。これからは合併症との戦いですと言われ、安心感より不安な気持ちが強いまま息子と病院を後にしました。

 翌日からは娘と見舞いに行きました。娘は医大病院まで運転できないというので私の車で一緒に行きました。妻はICUで昨日と同じように顔を腫らして眠っていました。人工呼吸器が繋がれ、いろいろな機器や管が妻の体につながっていて、ICUに入るのが初めての娘は怖いと言っていました。

 看護師さんの話によると、今朝目覚めたそうです。その時「手術が終わりましたよ」と言うと、妻は驚いていたそうです。今は眠ったままですが、一度目覚めたのは良い知らせでした。

 次の日も娘と行きました。相変わらずICUで眠ったままですが、目元あたりの腫れが少し引き、顔色にも赤みが戻っているように見えました。この日担当の看護師さんに順調ですかと聞くと、先生から電話がなければ順調ですと、やや愛想ない返事でした。

 3日目、娘は仕事なので一人で見舞いに行きました。手続きをしてICUに入ると、カーテンの向こうで妻が上体を起こして座っているのが見えました。思わずおおっと手を上げました。

 少し喋りにくそうでしたが、「私どうなったん」と言います。お寺で倒れたときのことを言うと、あああの時かと言いましたが、その後救急車で病院へ向かったこと、そこで検査を受けたことなど記憶がないそうです。救急車でも病院でも喋っていたのに。

 妻は自慢そうに患者衣の胸を開いて傷跡を見せました。医師から胸骨を開いてやる手術と聞いていたので「わかっているからもうしまっておいて」と言うのにいつまでも開いていて、私が患者衣の胸を閉じました。

 いくつもの管の繋がった手をしきりに動かしていました。外れるからと諫めると、看護師さんが昨日からリハビリが始まっているのだと教えてくれました。小柄で可愛い愛想のよい看護師さんでした。

 息子や娘の話などをして、家は僕が見ているからと言うと、それが一番心配やと相変わらず口の悪さも健在でした。ま、それだけ喋れればいいかと安心してICUを出ました。


 久しぶりに妻と話せて、ほっとしました。車で病院を出るとき、このままいつものようにまっ直ぐ帰るのも惜しい気がして、近くのショッピングセンターへ行ってみることにしました。そこにはお気に入りの書店があるのです。

すべてきみに宛てた手紙 (ちくま文庫)

すべてきみに宛てた手紙 (ちくま文庫)

  • 作者: 長田弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2022/07/08
  • メディア: Kindle版




 久しぶりの書店です。こんな時は、何か良い本に巡り合いたいと思いながら、書棚の間を歩きまわりましたが、なかなかこれと言った本に出会えません。あきらめかけたとき、長田弘「すべてきみに宛てた手紙」の文庫本が目に飛び込んできて迷わず手にしました。


 妻が倒れて今日で6日目になります。緊急手術を受けた8月4日には今度の金曜日、ブログアップできそうもないなと思っていました。医師が驚く回復力で、昨日はICUを出て一般病棟に移っていました。合併症もなく今のところ順調に見えますが、大きな手術、何があるかわかりません。

 私がいないことはあっても妻がいない家は初めてのこと。簡単に思っていた家事もやってみるとなかなか見ているようなわけにも行きません。

 時間も取られますし、なんでも妻に任せきりだったので何がどこにあるかどうしたら良いかわからないことが多いです。息子や娘に教わりながらなんとかこなしています。まだまだ私に勉強しなさいということだと思っています。

 そのようなわけで、皆さんのところへの訪問も滞っています。ご容赦ご理解ください。ブログ更新も次に何か良い報告ができる日が来たら、真っ先にお知らせしたいと思います。



 仕事に行かなくなって、妻を乗せて走ることが多くなりました。うるさがられるのでカーステのボリュームを絞っていることが多いのですが、今は一人、病院の行き帰りの道のりは40分ほどあるのでボリュームを上げて一人コンサートを楽しんでいます。 


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ことわざ [日々]

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 毎日暑いですね。梅雨明け前の頃からいつもの散歩が出来なくて、夕方日が落ちた出した頃から、畑に水をやりそのあと少し歩くようになりました。昼間の暑さがほんのり残っている田舎道は風があると少し気持ち良いです。

 去年の夏も暑くて、8月は散歩が出来ませんでした。今夏から早く起きて早朝に散歩しようと思っていましたが、6時50分起床、11時半就寝のリズムを崩せません。


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 一昨日は地域の小学生を集めた夏休みの教室のボランティアに行って来ました。今夏二度目、あと二回行く予定です。

 去年も感じたことですが子供たちは元気で屈託がないですね。そしてこんな変なおジイさんにもフレンドリーに接してくれるので嬉しくなります。一昨日は自習学習と書道の日でした。そこで感じたことを少し。

 自習学習で6年の子たちが漢字の書き取りやことわざの学習をしていました。夏休みの宿題らしいです。一人の子が漢字書き取りで、最近は字を書かないかから覚えられないとこぼします。どうして、と聞くとPADばかり使っているからだそうです。思わず笑ってしまいました。

 漢字の書き取りをさっさと終えて、ことわざに苦戦している子がいました。「猫に小判」「馬の耳に念仏」「石橋を叩いてわたる」「石の上にも三年」「泣きっ面に蜂」と五つのことわざがあり、右にその意味を書いた文があってどれに当てはまるかと言う問題です。

 私も若い頃は苦戦した覚えがあります。ことわざは、大人になっていろいろな経験をしたり知識を得てようやく理解できるようになることが多い気がします。

 答えを教えるのはともかく、ことわざに出てくる言葉の意味をかみ砕いて教えないと理解できないのではないかと思いました。最近は時代劇も放映されなくなって、今の子に小判って分かるのでしょうか。アニメやYouTubeなどで案外知っているのでしょうか。

 仏壇のない家がほとんどの今、念仏が分かるでしょうか。お経ならまだ少し分かるかもしれません。橋は今はほとんどが鉄筋コンクリート製です。昔はほとんどの橋が木製だったので石橋の頑丈さからことわざになったのでしょうが、今の子にはわかりにくいと思います。

 フジテレビの朝番組めざましテレビのアニメ紙兎「ロペ」と紙リス「アキラ先輩」が番組の最後でよく呟きます。「二束三文」って何?

 昔、職場で「そら二束三文や」と言ったら若い人に真顔でそれどういう意味ですかと聞かれたことがあります。束は昔燃料に使った木の枝を括った単位、文は江戸時代の貨幣で三文は安いと言う意味だと説明しましたが、某有名私立大理系出身の彼は、首をひねってこう言うの苦手なんですと言ってました。

 ことわざは鋭く核心を付いていたり、言い方が言い得て妙だから、古くから生き残って来たのだと思うのですが、時代がこれだけ進んでくると、ことわざが表す世界と現代の乖離がどんどん広がっていきそうです。現代ならさしずめサラリーマン川柳あたりがピタリと来るのでしょうか。


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 妻が朝のゴミ捨てから帰ってきて、電車が止まって踏切が閉まったままになってる。踏切で車が渋滞しているよ、と言いました。朝の出勤時間帯です。

 しばらくして散歩がてら田んぼに出て見ると、電車はまだ止まっていました。グレーの電車の向こうに白い車体の電車がくっついていました。

 まさか衝突したわけでも無いだろうしどうしたのかなと思っていると、そのうち二台ともくっついたままスルスルと下り方面に動き出しました。

 おそらくグレーの電車が故障して、次の白い電車が連結して押して行ったのか、その逆だったのか、違う色の車体の電車が連なったまま走る珍しい光景でした。通勤通学時間帯、大丈夫だったのでしょうか。

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 マツヨイグサです。夕方から咲き始めて朝に閉じます。私の遅い朝でもギリギリこの一輪が咲き残っていてくれました。

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 オニユリです。正式にはコオニユリかも知れません。いつも道ばたで見かけるので、野生の花と思っていましたが、ゆり根は食用に用いられているそうで、栽培もされているそうです。



 暑い夏の夜に、熱いジャズ演奏はないかと探していたら、マイルスデイビスの演奏に出くわしました。マイルス・デイビス、以前は良く聞いたのに久しぶりでした。彼のトランペットの独特の抒情が懐かしかったです。ジョン・コルトレーン、ウィントン・ケリーもソロを演じています。曲はSo Whatです。



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10年ぶりのOB会 [日々]

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 大きな夕焼けでした。カメラを持って田んぼの方に出るともっと大きな写真が撮れたのでしょうが、家の裏からスマホのカメラでズボラしました。(消しゴムマジックで邪魔な電信柱と電線を消しています)


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 昨日の朝、いつも通り畑に出るとナスの葉っぱにアオガエル

 今年は忙しくて、夏野菜を植えたのはいつもより一週間ほど遅いゴールデンウィーク明けでした。そのせいか、それとも気候のせいか、例年に比べると育ちが遅いように感じています。

 ナスやキュウリはぼちぼち採れ始めています。トマトはミニが二つ、中玉一つで大玉は、実は成っていますがまだ小さくて青いです。ピーマン、オクラなどもまだまだです。

 Googleフォトが過去のよく似た写真を出してくれます。それを見ると、今頃はもうトマトもキュウリもナスもたくさん採れている年があります。

 6月中頃でしたか今年も真夏日の暑い日がありました。でも去年の5月や6月に比べると気温が低い気がします。3月ころから雨も多く、今年は例年になく玉ねぎやジャガイモの出来が良くありませんでした。

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 久し振りにカメラを持って歩いた日。季節ですね、ネジバナが草むらに咲いていました。

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 お寺でギボウシ、去年も撮りました。


 もうひと月あまり前のことです。久し振りに古い仲間達と会うことが出来ました。私が20代の終わりの頃から52歳まで働いた職場の仲間達です。OB会と言ってもこの会社は20年前に潰れているので全員がOBです。

 職場は今は絶滅危惧種になりそうな町の本屋さんでした。支店がいくつかあって、私が入社した頃は県内で一番の書店グループでした。

 街が再開発されたり、他県資本のお店やナショナルチェーンのお店の進出で少しずつ立場を弱めていきました。今ほど書店、出版不況ではありませんでしたが郊外型の書店が流行っていた頃です。

 焦った経営者が無理な拡大路線に走ったあげく、多大な負債を背負って会社は倒産してしまいました。経営は同族の方達だったので、彼らと私たち従業員の仲はあまり良くなくて、反対に従業員同士は仲が良かったものです。

 よく社員旅行に行ったり、食事会や飲み会を開いたりしていました。今回集まったのもその頃の中心メンバーです。倒産後も毎年というわけではありませんがよく集まっていました。

 ちょうど会社がなくなって10年目に集まった時、次は5年後くらいにしようと言い合ってました。ところが5年、6年と経って、いよいよ今年こそはというときにコロナが流行ってしまいました。

 そうして瞬く間に10年が経ってしまいました。誰が言うでもなくなんとなく私が動かないと始まらない雰囲気になっていました。

 往復はがきを用意するほどでもないので、電話で済ますことにしました。総勢16名ほどです。そのうちの3分の2は女性で私より高齢の方が5名ほどおられます。

 皆さん携帯電話をお持ちなのでそちらに電話すると、何人かの人が応答ありません。それで仕方なく固定電話にかけてみると、すぐに出られたので笑ってしまいました。

 連絡だけするつもりだったのに、当日話すことがなくなってしまうのではないかと思うほど、お喋りをされる方が多かったです。

 皆さんお元気かどうか恐る恐るの電話でした。ご本人が出られて、会の開催を知らせると一様に喜んでくださったので、嬉しくほっとしました。皆さん、待ちわびておられたようです。

 いよいよ当日、10年振りにお会いした皆さんの印象は、もちろん私も含めてですが、それなりに歳月を感じさせました。それでも最高齢の90歳と88歳になるお二人が変わらずお元気だったのには驚きました。

 不参加者は3名でした。中でも先輩男性のお一人が数年前に脳梗塞で倒れられて今回出席出来なかったのは残念で、もう少し早く開いていたらと思いました。

 近況を話し合ったり、昔話をしたりして和気藹々の時間、皆さんの笑顔が懐かしかったです。一次会だけでは話足りず、近くの喫茶店に入ってのお喋りは夕方近くまで続きました。

 私は皆さんとお話しするのに忙しく席を温める間もなく動き回っていました。ゆっくり座っておしゃべりできたのは二次会になってからでした。

 店の様子や料理などの写真を撮り忘れました。お店の方がサービスで全員の写真を撮ってくれたのですが、それも会計をしている間に忘れてきたらしくまだ受け取りに行っていません。

 次回も10年後というわけにもいかず、安否確認のためにも一年に一回は集まろうと言う話が出ていました。さてどうなることか。


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 いつの間にか田んぼは青々として、アオサギやシラサギの餌の狩り場になっています。この間営農の草刈に出たとき、畦にトビが二羽いて驚きました。すぐに飛び立ちましたが近くで見るとかなり大きいですね。

 トビたちは何か情報交換でもしていたのでしょうか。草刈をしていると畦に鶏卵Mサイズくらいの卵が一個、殻を破られて落ちていました。今の時期だとケリの卵かも知れません。



 今日は朝から土砂降りの雨です。毎日どんよりした梅雨空が続いています。歌だけでもBlue Skiesと行きたいです。歌うのは正統派ジャズシンガーと言われるNicole Henryです。
 


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カラスの庭 [日々]

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 朝、畑の苗に水をやりに行くとカラスがこの原っぱで地面を啄んでいました。私が近づいても平気です。水をやり終えて畑の外に出てきてもカラスはまだ地面を啄んで大きなミミズを嘴でくわえていました。

 いつも二羽のカラスがこの辺りをウロウロしています。人が近づいてもめったなことではそこを離れません。私は苦笑しながらまるでここはカラスの庭だなと思いました。奥の雑木林に巣があるらしく、この間は三羽のカラスがトビとこの上で喧嘩をしていました。

 ジョウロを家に持ち帰り「カラスの庭」かと独りごちて、今度のブログタイトルに良いなと思いつきました。ならば証拠写真を撮らねばとスマホを持って戻ります。

 するとカラスは何が分かるのか今まで私の存在など歯牙にもかけなかったのに、急にコンポストの上に乗り、スマホを構える間もなく飛んで行ってしまいました。


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 田植えが終わった水田です。苗は見えにくいですが、水面に家並みが写っています。ちょうど踏切の音がしだしました。先日NHKの番組で鉄道写真家の中井精也さんが岐阜県の田舎で田植え前、水が張られた水面に映る電車を撮っていました。

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 真似して撮って見ましたが、全然駄目でした。スマホのカメラだったと言うこともありますが、田んぼの表面が田植え前の鏡面になっていません。それに電車の色も水面に写すにしてはぱっとしません。


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 たんぼ道をぐるっと回って、天井川の土手を歩きました。日差しの下は少し暑かったです。

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 天井川を川上に遡って行きました。ここは水源の水が滝になって流れ落ちるところ、先日の雨で水がたくさんあって散歩の靴では向こう岸に渡れませんでした。水の流れ落ちる音と木々に覆われて、夏でもひんやりして気持ちの良いところです。

 帰り道、弔魂碑の脇の林で久し振りにキビタキを見ました。しかし望遠レンズの付いた一眼レフカメラを持っていません。キビタキと確認出来るくらいはじっとしていたので持っていれば撮れたと思います。家に帰ってカメラを持ち出し車で引き返しましたが、当然もうそこにはいませんでした。

 弔魂碑の脇、キビタキのいたあたりにもう誰も使っていないような小さな道があります。そこを少し歩いて山の中へ入って行きました。周りは高い杉の木ばかりで野鳥の囀りは聞こえても高くて姿は見えません。

 この道は、子供の頃父と母と一緒に柴拾いに来た道と記憶しています。しかし少し歩いた程度では、思い出につながる風景に出会うことはありませんでした。若い父と若い母と一緒に行った柴拾い、思い出話をするとまた長くなりそうなので、今日はやめておきます。

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 せっかく一眼レフカメラを持ち出したので、回りの野花を撮ってみました。キビタキは撮れなかったけれど、このカメラを持ち出すのは久し振りです。

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 ヒメジオンをめがけて飛んでいるのは、検索するとフデヒメヒラタアブというアブのようです。

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 このところ、かかりっきりの神社も撮って見ました。

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 裸電球の傘は錆びていますがyamamotoさんが撮っていたランプの傘ほどクラシックなものでは無さそうです。

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 家に帰ってくると妻が庭の小さな花壇を指さして、咲いたけれど何の花やろうと聞きました。画像検索をしてみると、オキザリス・ラシアンドラと出ました。カタバミ科なのでカタバミに似ていますが、カタバミより花が立派で茎が長く、何より葉がハート型をしていません。

 この花は、小4になる孫が学校でもらってきた種を妻に渡したものです。彼は骨に腫瘍が出来る病気で2ヶ月ほど入院していましたが、つい先日退院しました。退院しても腕に変な器具が付いていて夏か夏過ぎまで外せないそうです。少しのことですぐ泣く弱虫な子でしたが、手術を乗りきって少し強くなってくれたかもしれません。


 ジャズが聞きたくなったら、ホレス・シルバーを選んでおけば間違いがないと思うくらい、彼の演奏と曲はファンキーで熱いです。有名なジャズメッセンジャーのオリジナルメンバーでもあります。曲はSong for My Fatherです。そう言えば、もうすぐ父の日ですね。



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いちご狩り [日々]

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 ゴールデンウィークのこどもの日に孫たちが来てくれたのですが、田植えに出ていたので会えませんでした。その一週間後にまた来てくれました。

 一週間遅れたことで、まだ青かったイチゴがちょうど赤くなっていました。一緒に畑に入っていちごを摘むことが出来ました。先に摘んで冷蔵庫で保存してあったいちごと合わせて、二人で皆食べてしまいました。

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 そらへい、初めての写真登場だと思います。隣の孫は、私と同じ誕生日、今年7月末に3歳になる女の子です。息子の嫁が写してくれました。


 春祭りが無事終わったときは本当にほっとしました。翌日は爽やかな快晴で、準備や祭礼で出来なかった散歩を久しぶりにしました。重荷がおりたせいか身体が軽く感じられる足取りの散歩でした。

 これで終わりだと良かったのですが、その翌日は田植えでした。田植えと言っても私のする作業は田植えに使った苗の空箱を洗って農協に返す単純な仕事です。

 機械で洗う人と、洗った箱をまとめて運ぶ人の二人で作業します。いつも私は高齢な方なので組む相手は私より年下になります。年上の方が比較的楽な機械で洗う方に回るのですが、今回はなんと二つ年上の方との組合わせになりました。

 私の方が若手になるので、洗った箱を10枚ずつ紐で縛り軽トラックに積んだり下ろしたりと、積極的に動かなければいけません。朝8時から昼休憩を挟んで6時まで、お祭りと違ってただ肉体的に疲れました。

 その他、神社の会計、お寺、畑の春夏野菜、以前の職場仲間の集まりの幹事、とどめは伯母の葬式が先日ありました。4月の中頃から今まで70歳過ぎの老人にはふさわしくない忙しい日々を送っています。皆さんの所への訪問が遅れがちですが、ご容赦下さい。

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 久し振りの散歩で見つけたエゴノキの白い花

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 いつも通る池端にはキショウブ、季節の移ろいを感じます。

 
 リラックスした気分の時は、昔よく聞いたお気に入りのアルバムが聴きたくなります。ソニー・ロリンズのアルバム「ウェイ・アウト・ウエスト」からI'm An Old Cowhandです。暖かく膨らみのあるテナーの音と自在なインプロビゼーションの波に身をゆだねます。



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