北海道の旅その2襟裳岬未遂 [旅]
帯広行き特急とかち3号です。札幌駅より新札幌駅の方がエスコンフィールドから近く、時間的余裕もあるので新札幌駅まで送ってもらいました。
ここで面白いことがありました。この列車の前に普通列車が入ってきました。数人の列ができていて妻がその後ろに立っていました。
並んでいる客が順番に乗って行きます。当然妻は黄色い線のところで立ち止まると思っていたら、そのまま一緒に乗ろうとするではありませんか。私は慌てて妻の手を引きました。私が並んでいないのに一人で鈍行に乗って行くつもりだったのでしょうか。
十勝平野を走る特急とかち、車窓の景色を期待していたのですがあまり見えなくて、トンネルなどもあって半分くらい寝てしまっていました。
帯広に着いたのが午後1時過ぎでした。それから予約してあるレンタカーを借りて、お腹が減っていたのでコンビニで昼飯を調達しました。
ナビの設定を襟裳岬にしてまずは車を走らせました。帯広広尾自動車道を走ります。走るにつれ交通量が減っていきます。借りた車はトヨタのヤリス、まだ走行距離の少ない新車で快適でした。
自動車道なので高いところを走ります。特急とかちより景色を楽しむことができました。車窓の左右に広がる十勝平野、曇っていた空に時々日が指すといっそう景色が輝きました。
前や後ろを走る車はほとんどなく、すれ違う車もめったにありません。まっすぐに伸びる長い直線道路、まさに北海道一人旅、いや二人旅の気分です。
1時間ほど走って少し休憩しようかということで道の駅に降りました。近くに忠類ナウマン像記念館がありました。平日のせいか周囲はガラガラでした。駐車場で屋台の車がテントを出しているのかと思ったら、キャンパーでした。この旅行中キャンピングカーを何台か見ました。
道の駅で北海道の濃厚なソフトクリームを食べ、見晴らしの良い高台に上がって、十勝平野をパチリ。一眼レフカメラを持ってこようか随分迷いましたが、荷物が重くなること、撮る機会があまりないことが予想されたのでスマホ・カメラで済ますことにしました。
道の駅からまた自動車道に戻ると思ったらナビは下道を案内しました。下道を走っても自動車道と変わらないくらい交通量も信号もありません。
同級生k子さんが住む大樹町に差し掛かると町らしい家々のかたまり、行きかう車も増えはじめ、信号もあるようになってきました。
本当はサプライズで訪ねたかったのですが、また来れるかわからない北海道、会えないと困るので事前に連絡しました。明日の午前彼女の方がホテルに来るというのでホテルで待ち合わせることになっています。
ほんの通りすがりでしたが、k子さんが住む街を見ることができてよかったです。街の中心地らしいところを通っていると、帯広を出てずっと見かけなかったコンビニがあると妻が言いました。
そのまま大樹町を通り抜けてとりあえず海の見える広尾を目指します。途中で遅いトラックに前を塞がれました。追い越しても良かったのですが、横の妻がうるさいので法定速で走り続けました。
広々としてのどかでした。時折、牧場が見えたり大きな畑で作業をする大型のトラクターがあったりしました。妻がなんだか臭うと言います。畑に茶色く撒かれた堆肥の匂いだと思います。
広尾の街が近づくとまた信号が少し増えてきました。どこから国道236号が336号線になったのか、突き当たりに十勝港があり海が見え始めました。
海岸沿いに出ると、いきなり波しぶきが上がって荒い波が道路際の防波堤に激しく打ち付けていました。白波を立てて次々に押し寄せる太平洋は灰色に曇っていました。
交通量のない海岸沿いの道を襟裳岬方面に向かって走ります。静かな道路の両側にたくさんの車が止まっているところがありました。釣り客かなと思ったらサーフィンをしている人たちでした。この海でサーフィン、驚きです。
サーフィンをしているところあたりから遠浅になって、昆布を干す作業をしている人たちの姿もありました。この海岸沿いの道は別名黄金道路というのだそうです。
漁師の人たちがその時期だけ使う小屋がありました。
襟裳岬まで海岸沿いを走るこの道をずっと走り続けたかったのですが、妻がホテルに戻る時間が遅くなるとうるさく言うので、残念ですが引き返すことにしました。
曇っていたせいか、こちらの方が日が暮れるのが早いのか6時過ぎにはあたりはすっかり暗くなっていました。宿は十勝温泉です。宿についてこの夜は時間がたっぷりあったのでゆっくりしてから、楽しみのビュッフェ形式の夕食に出かけたのですが、二人ともやや物足りなく感じた内容でした。
温泉は良かったです。茶色いお湯でした。美人の湯とありましたが、妻は翌日まで肌がすべすべすると言っていました。
大浴場は空いていてゆっくり入れましたし、露天風呂は独り占めでした。温泉は久しぶり、ゆっくり手足をのばして命の洗濯です。風呂上り珍しくビールを飲んで早めに床に就きました。
先日、NHKで放送があった87歳のジャズシンガー齋藤悌子さん、ご主人を亡くされてしばらくは歌われなかった時もあったそうですが、再び自分には歌しかないと歌いだされたそうです。異国の音楽であったジャズがこんな風にも日本で根付いていることに感心します。曲はダニー・ボーイです。