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妻と歩く [日々]

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 今年もジョウビタキがやってくる季節になってきました。写真は去年の10月20日に撮ったものです。今年は暑いので遅いかなと思っていましたが、同じ頃に鳴き声を聞いたり姿を見たりしました。ただ写真はまだ撮れていません。

 今日から11月です。あっという間の10月だった気がします。半分以上9月だったのではないかと思うほどです。去年の夏も暑くて、10月になってやっと爽やかなお天気になったので期待していたのすが、すっかり肩透かしをくらいました。10月らしかったのは、孫たちの運動会くらいです。

 ようやくここ一週間ほどでこの時期らしい気候になって来たように思います。慌てて毛布を出したり上着を着込んだりしています。それでも明日は台風の大雨とか、本当に今年は異常過ぎる気候です。


 妻が退院して2ヶ月あまり経ちました。毎朝、妻といっしょに散歩をしています。私が歩いた方が良いと何度誘っても乗ってこなかったのに、三度目の外来診察に行った時、主治医に家事はしてますか、歩いていますかと問われたそうです。

 その翌日から歩くと言いだして一月ほどになります。と言っても2,000歩ほどから多くても3,000歩、主役は妻なのでそのペースに合わせています。時間にして30分ほどでしょうか。歩く前は人に会うのが嫌と言っていましたが、途中、知り合いに出会ってお喋りするのも楽しそうです。

 ただ、私は妻の歩調に合わせるのに苦労しました。一人で歩くときはさっさと歩くので、ゆっくり歩を運ぶ妻のペースに自分のリズムが合いません。合わしていると何だかこちらの方まで調子がおかしくなりそうでしたが、最近はずいぶん慣れてきました。

 たまに歩き足りないと、ひとり自分のペースで歩きます。その時は、いつも通りさっさと歩けているので妻のペースが乗り移ってしまったということはなさそうです。

 散歩はひとりであれこれ思ったり感じたりしながら気ままに歩くのが好きでした。たまに奥さんと歩かないの、と聞かれることがありました。すると私は、家でずっといっしょなのに散歩までいっしょに歩きたくないなどと答えていたものです。

 お喋りはそれほどしません。今日は風があるなぁとか、ご近所の様子を語り合って他愛も無い世間話をする程度です。日によって少しコースを変えたり、妻の調子によって早めに切り上げたり少し長目に歩いたりしています。

 一度、用水路沿いを歩いていたらカワセミが二羽、もつれるように水路を飛び交っていました。ちょうど朝日が当たっていて、カワセミの背のコバルトブルーが鮮やかにきらめいていました。それを見た妻がきれいと呟きました。私はまるで自分が見せてやったみたいに自慢げに、カワセミという鳥だよと教えました。

 妻は病気になる前は、いたって丈夫な人だったのであまりいろんなことを心配させない人でした。それに安心していたのか甘えていたのだと思います。ずっと長い間そうしてきたと思います。しかし今や事情は変わりました。

 妻が病気になってようやく妻を思い、いたわると言うことに目覚めたのかもしれません。もちろんまだまだではありますが。そう思うと妻のペースに合わせて一緒に歩くのも悪くないことに思えてくるこの頃です。

 
 

 ドジャースに敗れたニューヨークは、今まさにこの気分かもしれません。歌はおなじみのエラ&ルイです。

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