本山参り2 [旅]

6月の中頃でした。本山参りに行ってきました。我が寺は浄土宗なので、本山は百万遍知恩寺、総本山は知恩院になります。法然上人開宗850年に合わせて檀家有志揃ってのお参りでした。
と、ここまで書いて本山参り?以前にもブログにアップしたような気がしてきました。念のため過去のブログを検索するとありました。このブログの前身、So-netブログ「そらへいの音楽館」で記事にしていました。
12年前の2012年の5月のことでした。その時は法然上人800年大遠忌に合わせてのお参りでしたが、今回は開山850年に合わせてです。いろいろ記念の年があります。
前回同様、今回も百万遍知恩寺にお参りしてから総本山の知恩院へお参りしました。コースとしては12年前と同じですが、今回は知恩寺の滞在を短めにして、知恩院でゆっくりさせてもらいました。
12年前というと、前年の2011年3月に東日本大震災があり、そのため本山参りが翌年の5月にずれたのでした。その頃私は還暦、娘が女の子を産んで初孫に恵まれた頃でもありました。
あれから12年、相も変わらず田舎は暢気なことをしているなぁと思われるかもしれませんが、田舎で昔から暮らしている者にとってはおろそかに出来ないことです。
檀家のメンバーもずいぶん若返りました。参加者の三分の一の方が初めての本山参りでした。それに本山参りというと、以前はほとんど男性だったのに、今回は半数が女性だったのも時代の流れを感じます。
12年前の本山参りでは、百万遍知恩寺の記事が多く、知恩院の方は御影堂が工事されていたこともあってほとんど書いていませんが、今回はじっくり奥まで拝見することが出来ました。

知恩院の山門を潜ります。その先にある階段が男坂で大きな石の階段が50段あります。脇にもう少しなだらかな女坂があります。

御影堂です。暑いけれどお天気は良い日でした。山門とこの御影堂が国宝に指定されています。

御影堂の内部です。読経が途切れることなく続いていました。研鑽された僧侶たちの声が広い堂内に響きわたっています。私たちは、脇の方から入ってお経を上げお寺の名前を呼ばれ全員でお焼香をしました。

御影堂の外縁の廊下から経蔵が見えました。

そのお隣の御廟の入り口、法然上人のお墓があります。階段は100段あまりだそうです。お参りする予定でしたが時間が無くて割愛されてしまいました。

私たちを案内してくださる僧侶に導かれるまま、御影堂から渡り廊下を伝い集会堂を迂回して奥に進みます。一人だと迷ってしまいそうなところです。

どこをどう通ったのか、奥の狭い部屋で伊藤唯眞猊下にお会いしてお話を聞きました。91歳とご高齢です。我が寺と同じ市内、隣町のご出身です。

その後、方丈の間に案内されました。大方丈(おおほうじょう)と小方丈(こほうじょう)があって私たちが通されたのは小方丈でした。正面の掛け軸「華頂山」は知恩院の山号です。

水墨画が描かれた小方丈の襖絵は重要文化財、鞄などを立てかけたりしないように注意を受けました。

一人一人にお茶と落雁が供されました。

こちらはもう一つの小方丈の間。入りきれなかったので女性たちはこちらの部屋に通されました。小方丈は全部で6室あるそうです。

方丈の間の廊下は鴬張りになっていました。昔はここで重要な話し合いがあったのでしょうか。

方丈の間の廊下から見える庭園。ハスの花は見えませんでした。

最後は一旦外に出て少し坂を上がったところにある大鐘楼へ行きました。
大晦日になると、ここで除夜の鐘を撞くシーンがニュース映像で必ず流れます。我が住職も若い頃、この鐘を撞かれる姿がテレビに映し出されたそうです。
この大鐘は日本に三つある大鐘の一つだそうです。高さ3.3メートル口径2.8メートル、厚みは30センチ総重量は約70トンだそうです。

知恩院のお参りを終えるといよいよお昼御飯です。場所は大鐘楼から外に出て坂を下ったところにある料亭「左阿彌」前回と同じです。違うのは今回は知恩寺、知恩院をお参りしてからだったので、昼時間を一時間あまり越えてしまい皆さん腹ぺこでした。

玄関脇の庭に茶室のような小さな建物がいくつか建っていました。茅葺きの趣のある建物です。以前来た時は人の気配が感じられませんでしたが、今はインバウンドのお客があるのでしょうか、仲居さんが出入りする姿がありました。

冷房が効いた部屋、以前は畳敷きの大広間に座しましたが、今回はテーブルと椅子の間でした。住職ご夫妻を交えて檀家一同揃っての会食は和やかに進みました。
お寺参りとは言えお酒もいただいて、皆さん一番楽しい時です。ただ空きっ腹に出てきた京懐石は上品すぎて、若い人の中には終わりの頃にメインはいつ来るの、と言っている人もあったとか。
先日はまだ梅雨が明けていないのに猛烈な暑さでしたね。どうなることかと思いましたが、また梅雨が戻って来て今日は朝から雨です。こんな天気の日は「雨の日と月曜日は」です。
カレン・カーペンターとアン・バートン、迷いましたがやはりジャズでアン・バートンにします。
2024-07-12 17:13
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コメント(26)
確かに若い人たちには会席料理は物足りないでしょうね、
by kousaku (2024-07-12 17:22)
古い建物を見るたびに、当時の建築技術に圧倒されます。こういう場所で、仏教の思想に触れてみたいです。
by mayu (2024-07-12 19:38)
神社やお寺の組織が健在のようで、地域社会が保たれて
いますね。故郷を離れた人間は浮き草のようです。
先日、帰郷したおり、兄の話では田舎は人口が減って、
檀家が減り、お寺が大変だと言ってました。雨の日と
月曜日のように、お寺さんも憂鬱なようです。
by 爛漫亭 (2024-07-12 20:24)
檀家さん有志で本山である知恩院へ行かれたのですね。
お寺さんを大事に考える地域だとしみじみ思いました。
重要文化財も有ったりして中々見ごたえのある知恩院でした。
わが故郷は跡取りの兄が亡くなった時、義姉は離檀を
選びました。
by yoko-minato (2024-07-13 05:33)
お早うございます、銭洗弁財天宇賀福神社(銭洗弁天)に
コメントを有難うございました。
今の季節、江の島は潮風を浴びながら散策するのは
最高です。
知恩院は実家が浄土宗なので大本山です。何度か
思いりしています。
by tarou (2024-07-13 09:07)
御影堂の内部、ピッカピカで、圧倒されそうでやすね!
襖絵も見事でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-07-13 11:53)
こんばんは、知恩院ですね、よくお参りにいく寺です、ここのところ
はいけてないのですが、長岡天神から河原町でおりて歩いて15分ぐらい
でいけるので朝早く軽い散歩気分でいってました。
御朱印も期間限定の御朱印があるのでそのたびに頂いてます。
我が家も浄土宗です。
by ken (2024-07-13 18:52)
kousakuさん
こんばんは
若いと言っても50代なのですが、やはり物足りないですよね。
何よりお値段も、そこそこしましたからね。
by そらへい (2024-07-13 19:40)
mayuさん
こんばんは
キリスト教などの古い石造りの建築も見事ですが
木造のよく磨き込まれた廊下や柱もいいですね。
とくに廊下に惹かれて何枚も写真を撮りました。
by そらへい (2024-07-13 19:43)
爛漫亭さん
こんばんは
古い田舎は都会と比べると、50年は遅れている気がします。
コロナのおかげで、家族葬がやっと一般的になってきました。
お寺も神社も減ることはあっても増えることはないですね。
このまま自然淘汰されていき、最終的にどういう形になるのか。
各地でギリギリ維持されているお祭りやお寺の行事、お墓
世の中の動きを止めることは出来ません。
人の死や先祖のあり方、これからどうなっていくのでしょう?
by そらへい (2024-07-13 19:51)
yoko-minatoさん
こんばんは
旧街道筋、おそらく江戸時代から続いた風土がいまだに根強く残っていますね。
日本人のほとんどがもう忘れてしまった遠い昔のこと。
大きな神社やお寺にはお参りに行かれる方もあるのに
生活には根ざしてはいないですね。
それもこれも、お寺や神社が大きな組織への
集金マシーンになってしまったからかも知れません。
お寺も神社も昔の人にとっては
もう少し生活の拠り所だった気がします。
by そらへい (2024-07-13 19:58)
tarouさん
こんばんは
そうですか、同じ浄土宗でしたか。
知恩院は、何度かお参りしていますが
いつも檀家の皆さんと一緒です。
一度だけ、若い頃に一人で行った事があり
その時感じた厳粛な雰囲気を忘れません。
まだ、自分の家が浄土宗で、知恩院が本山と知らなかった頃です。
by そらへい (2024-07-13 20:09)
ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは
私は、よく磨き込まれて整った廊下に惹かれて何枚も写真撮りました。
とくに修行僧のお二人がシルエットになった絵を撮りたかったのですが
邪魔が入って撮り損なったのは残念でした。
by そらへい (2024-07-13 20:11)
kenさん
こんばんは
京都に暮らしておられる方だと、
知恩院へのお参りも生活に根ざしたものになって良いですね。
本来お寺というのは、そういうものだと思います。
そういう意味では京都にはたくさんのお寺や神社が
あって良いですね。
ただ、入場料いるところが多いと困りますが。
by そらへい (2024-07-13 20:22)
本山だけに立派ですね
うちも親父が行ってたんですが亡くなってからは
継ぐものがいなかったので行けてないので気になってるんですよねぇ
by (。・_・。)2k (2024-07-13 21:42)
よく磨きこまれた、どこからどこまでも立派なお寺ですね。
本山というのはこういうものでしょうか。
父母が眠る田舎の寺、行くたびに寂れています。
どうなっていくのか・・・町の人口も減るばかりです。
by タックン (2024-07-14 11:32)
2kさん
こんばんは
京都は東本願寺、西本願寺、知恩院と本山目白押し。
浄土でも知恩院は総本山、大本山が京都に三つもあります。
天台宗の比叡山は、滋賀と京都に跨っています。
真言宗の高野山はまだ行ったことがありません。
山に囲まれてまた違った雰囲気、一度行ってみたいです。
by そらへい (2024-07-14 19:46)
タックンさん
こんばんは
建物全体は大きすぎてよくわかりませんが
中に入ってつながる廊下の美しさには惹かれました。
多くの人の汗と浄財で成り立っているのでしょうね。
人は便利な都会に集中し、地方は寂れるばかり
全体の人口も減少していく中で
これから田舎のお寺や神社はどうなっていくのでしょう。
私たちは地理的にも、時代的にもその端境期にあって
何とか維持を続けているような状態ですね。
by そらへい (2024-07-14 19:54)
こんにちは、知恩院と言うと京都の知恩院ですか?
自分家のお寺の総本山は、西本願寺(だったかな?)でして
以前母が良く住職を筆頭に参加者を募って京都へ行ってました。
それ以前は死んだ祖母が良く行ってました。
宗派は浄土真宗でして、西で良かったでしょうか?東本願寺かな?
すみません、良く分からなくて。
by Yamamoto (2024-07-15 16:29)
Yamamotoさん
こんばんは
知恩院は京都です。
西本願寺も東本願寺も大きなお寺ですね。
私たちは本山参り、何かの記念に10年に一度ほどお参りしますが
浄土真宗の方は、毎年のようにお参りがあると聞いています。
同じ浄土真宗でも、西と東に分かれていてややこしいですね。
お経も、読み方と言うか節が違うようですね。
by そらへい (2024-07-16 20:17)
知恩院には一度参拝したことがあります。
あの山門の前の石段は壮観ですね。
by 駅員3 (2024-07-18 08:58)
駅員さん
こんばんは
あの石段は男坂というのだそうです。
左右の長ささすがですが、一段の高さもかなりありますね。
50段、今回は難なく上がることが出来ましたが
前回はお昼にビールを飲んだあとだったので、
ちょっとしんどかった記憶があります。
by そらへい (2024-07-18 21:03)
おはようございます。
コメントをありがとうございました。
おっしゃるとおり裏ががあるのではと
感じていました。
いきなり棚から消えましたがその前に値上がりが
ありました。
主食が買えないと高くても買いますものね。
大騒ぎせず対処したいと思いました。
生産者さんには恩恵は無いのですものね。
by yoko-minato (2024-07-24 05:59)
yoko-minatoさん
こんばんは
米不足に関しては、市場の思惑が何かあるのでしょうね。
燃料代や肥料などの値上がりで、生産者も困っていると思います。
その分の値上がりは、去年の出荷価格に上乗せされていると思いますが、今の値上がりに比してわずかだと思います。
今年の米の出来映えがどうなるか、今の所分かりませんが
品質はともかく冷夏ではないのでそれほど収量が落ちるとは思えません。ただ、生産者も値上げするでしょうし、末端の価格はさらに
上がることはあっても下がることは無さそうです。
by そらへい (2024-07-24 19:51)
知恩院で法然上人に会われたのですね。
何もなく朝を迎えることが出来ること!
これがご利益なのでしょうね。
by hoshikura (2024-07-26 22:12)
hoshikuraさん
こんばんは
毎日暑くて困りますね。
法然さんにお会いしたというか、ほぼ観光気分でした(笑)
本当に何もなく無事朝を迎えられることのありがたさ
もっと大事にしないといけませんね。
by そらへい (2024-07-27 19:59)