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旅の記憶(4) 札幌 [旅]

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 梅雨を通り越していきなり夏の暑さのここ数日です。湿度も高くなんとなく体がだるく感じます。身体がまだ暑さに慣れていないせいでしょうか、季節が順番通りでないので身体も頭も適応出来ていないのでしょうか。

 いろいろなことが少しずつ片付いて、余裕が取れるようになってきました。中断していた「旅の追憶」の続きです。上の絵は札幌、大通公園をスケッチしたものだと思います。

 居候の旅、いつもあてもなく電車やバスに乗って、北海道の地を巡っていたわでもありません。貧乏旅でしたから、遠出しないで札幌や小樽の街を歩き回る日も多かったです。

 札幌は大都会でした。メインストリートは高いビルが立ち並び、洗練されていて東京の銀座や日本橋などと引けを取らないように見えました。

 有名な時計台や羊ヶ丘展望台はすでに連れて行ってもらっていたので、円山公園や友人の住む琴似などを見て歩きました。

 円山公園は広すぎて、間違えて近くの墓地の周囲を歩いたりしていました。琴似には、屯田兵の資料館などがある公園のような一角があって、中をのぞいたりベンチで休憩したりしました。

 北大にも行きました。塀を巡らせた大学ではないので勝手に入ったり、有名なポプラ並木を歩いたりしました。何枚かスケッチしましたが、ポプラ並木案外難しくて絵になりませんでした。

 また、この頃は東京でジャズ喫茶巡りをしていたので札幌でもいくつかジャズ喫茶や音楽喫茶を探して歩きました。

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 その時訪ねたジャズ喫茶のマッチです。かさばるのでマッチ箱を開いて画像として残しています。この中の三番目の「ジャマイカ」は札幌で老舗の有名なお店だったようです。マッチには(東映地下)と印されています。このあと別の場所に移転したそうです。ネットで調べると今も健在のようです。

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 季刊ジャズ批評別冊「ジャズ日本列島」の札幌のページに当時の地図があります。あの頃、札幌にはこんなにたくさんのジャズ喫茶があったのですね。今はどれくらいあるのでしょう。

 資料を基に過去をたどるだけでもうほとんど記憶に残っていません。ジャズ喫茶、もっと行ったけれどマッチが手に入らなかったのか、3軒だけだったのか。それぞれのお店はどんな雰囲気だったのかほとんど覚えていません。

 ただ一軒、はっきり覚えているお店があります。名前は忘れましたが、街外れの殺風景な通り沿いにありました。扉を開けると一瞬、頭上から冷たいミストが吹き付けました。いきなり階段が始まってお店は二階にありました。

 その日は札幌でも暑い日でした。ジャズ喫茶には珍しく店内は明るく窓が通りに面して開かれていました。ただ涼しかったのは入り口のミスドだけ、店内には冷房がなくて汗を掻きながら音楽を聞いた思い出があります。当時は札幌でも小さなお店はエアコンがないところが多かったようです。

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 これは小樽のジャズ喫茶です。どの辺にあったのかもう記憶はありません。また、「ジャズ日本列島」にも載っていません。

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 このお店は、札幌から電車で一時間ほどのところにある岩見沢と言う街にありました。わざわざそのためだけに岩見沢まで行ったように思います。その割に街の様子もお店の印象もほとんど残っていません。小さな一軒屋だったような気がします。

 「ジャズ日本列島」によると当時札幌のジャズ喫茶、コーヒー代は250円~300円が相場だったようです。東京と同じか一割ほど安い気がしました。

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 電車や地下鉄で相客をスケッチしてました。今なら盗撮ですかね。



 持っているレコードの大半は20代の頃に集めたものです。それ以降に買ったレコードに比べると聞いた回数も多く思い入れもあって愛着が深いです。ただこのレコードは、後年買ったレコードの中ではお気に入りの一枚です。

 Lou DonaldsonのBlues Walk YouTubeの画面には帯が付いていますが、私が買ったのはブルーノートの復刻輸入盤なので帯も日本語ライナノートもありません。ジャケットもいいですね。

 ちょうどJBLの4312Dというスピーカーを買った頃でした。Lou Donaldsonのアルトサックもさることながら、30センチウーハーが奏でるコンガの弾む音に感動したものです。



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mayu

旅の友はカメラと考えがちですが、絵の好きな人は違うなぁとしみじみ(^^)人物のデッサンをしていた高校時代を思い出しました。
by mayu (2024-06-14 21:20) 

ゆうのすけ

ジャンルは違いますが 私も思い返すと10代~20代に買って
聴いたレコードの方が聴いた回数や愛着が深いですね。
いろんな思いが詰まっています。^^♪~
今日はすごく暑かったです。やはりまだ体が慣れていないようで
汗をびっしょりかいた後は調子よくなりましたが うまく調整できて
いないと身体に熱がこもって熱中症になりかねないですよね。
夜間も水分塩分補給・・・要注意ですね。^^;
by ゆうのすけ (2024-06-14 23:21) 

(。・_・。)2k

絵が描けるって素晴らしいですね
どうも絵や文字を書くのが苦手でこの歳になって
練習しなかったの後悔してます
by (。・_・。)2k (2024-06-14 23:35) 

yoko-minato

沢山ジャズ喫茶に行かれてそこのマッチを
画像として残しているって素敵ですね。
そして今も残っている喫茶もあるなんて。
いつかまた訪れる機会があるかも知れないですね。
札幌の街は大都会ですよね。
当時はあまりエアコンは必要なかったかも。
それにしても貴重な体験をされたのは一生の
思い出になりましたよね。
写真ではなくスケッチで残されたのも素敵!!
by yoko-minato (2024-06-15 05:37) 

tarou

お早うございます、明月院(明月院ブルー)に、
コメントを有難うございました。
あじさいの花の色は、土壌によるようですね、
園芸店ではあじさい用の土を見たことが有ります。
旅の記憶、素晴らしいスケッチに、当時のマッチが
お洒落です。
by tarou (2024-06-15 08:25) 

爛漫亭

 若きモダン・ジャズ青年の彷徨ですね。人物スケッチも
若々しくて見事な出来栄え、よく残していましたね。
by 爛漫亭 (2024-06-15 09:03) 

Yamamoto

おはようございます、もはや今の6月は昔の8月となじ気候になりました。
梅雨入り宣言もいつになる事やら。下手すると梅雨入り無しで終わるかも。
札幌でも暑かったとのこと、それは8がつだったでしょうか。
今の北海道は6月でも30℃を越えますからね。
スケッチ素晴らしいです。また何かおねがいします。
by Yamamoto (2024-06-15 09:28) 

ぼんぼちぼちぼち

ジャズ好きなら旅行した時には、必ずその地のジャズ喫茶を訪れたいでやすよね!
マッチのお写真をこうして遺しておられるところ、そらへいさんのジャズ好き度が伺えやす!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-06-15 11:11) 

そらへい

mayuさん
こんばんは

このころの私は、頑固なくらいアナログ人間で
部屋に不相応のオーディオ装置はあっても
テレビは置かず車の免許もカメラも持っていませんでした。
by そらへい (2024-06-15 19:30) 

そらへい

ゆうのすけさん
こんばんは

10代、20代、やはり感受性が豊かなんでしょうね。
今思えば、あの頃は聞こえない音や感情も聞こえていたような気がします。
今はもうその感受性も枯れてしまって、
昔の曲を懐かしむばかりです。
真夏日の日が出てきましたね。熱中症に注意ですね。
ただ、昼間の暑さはともかく朝晩はまだ耐えられますね。
梅雨を過ぎた後の暑さは、こんな生易しいものではないですね。
by そらへい (2024-06-15 19:35) 

そらへい

2kさん
こんばんは

絵や文字は人柄がかなり如実に出る気がします。
写真はそんなことはないと思ってましたが
やはりその人の個性とか感性が出ますね。
by そらへい (2024-06-15 19:36) 

そらへい

yoko-minatoさん
こんばんは

レコードと同じく自分の青春のコレクションとして
マッチやコンサートのチラシやパンフレットなどを
残していましたが
何十年も経って、インターネット上で発表できる機会があるなんて
当時はとても思えなかったことですね。
去年の9月、北海道へ行ったとき、
シャルマンを尋ねてみたかったのですが
あまりにも時間がなさ過ぎました。
50年前のようにまた一人であてもなく
北海道を旅出来たらよいのですが、
高齢者の一人旅、なかなか許してもらえないかもしれません。
by そらへい (2024-06-15 19:44) 

そらへい

tarouさん
こんばんは

庭のアジサイ、鉢植えで買ったときはしっとりした青色だったのに
庭に植えて数年、いつの間にかいろんな色が混じっています。
剪定がいいかげんなせいか花が多く一つ一つが小ぶりです。
来年は少し考えてみようと思ってます。
園芸店のアジサイ用の土、見てみます。
スケッチやマッチコレクション、
ネット上で発表できる機会があるとは思ってもいませんでした。
by そらへい (2024-06-15 19:50) 

そらへい

爛漫亭さん
こんばんは

高校の美術部にいたころのものはほとんどなくなっているのに
なぜか、その後手慰みに描いたものを残しています。
描く対象が無くて、レコードジャケットの音楽家の写真などを
模写したりしていました。
by そらへい (2024-06-15 19:54) 

そらへい

Yamamotoさん
こんばんは

当時の北海道の人たちは、夏というと
8月の二週間ほどだったようで、
海や山へ行って短い夏を楽しんでいました。
今は北海道も30度越えは当たり前ですね。
去年の9月に行った時も、北海道は異常気象で
友人は暑いだけでなく、今年は湿気がひどいと言ってました。
暑くてもさらっとしているさわやかな北海道のイメージは
もう過去のものになったのでしょうか。
by そらへい (2024-06-15 20:01) 

そらへい

ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは

東京でも一人の時は、懐かしいジャズ喫茶を探すのですが
なかなかもう残ってはいないですね。
四谷の「いーぐる」くらいでしょうか。
中野ブロードウェイ近くの路地にあった「ビアズレイ」
もうないと分かっていてもついそのあたりをうろついてしまいます。
by そらへい (2024-06-15 20:05) 

ken

札幌にもJAZZ喫茶が結構あったんですね、マッチも素敵ですね。
ルー・ドナルドソン、15年ほど前東京JAZZで演奏を聴きました、
きれきれの演奏で素晴らしかったです。
by ken (2024-06-16 07:54) 

タックン

最後のジャケットの人物と放浪する若きそらへいさんが重なります^^
美術部だったのですね。スケッチが上手いですはずです。
昔はジャズ喫茶に限らずどこの喫茶店でもマッチが置いてありました。
絵柄が素敵なのは取っておいたものです。
by タックン (2024-06-16 17:00) 

そらへい

kenさん
こんばんは

私が旅をしていた頃は、ジャズ喫茶全盛期の頃ですからね。
全国各地にジャズ喫茶がありました。
ルー・ドナルドソン、検索したらまだ健在なんですね。
若い頃クリフォード・ブラウンと組んだりしていたミュージシャンなのにびっくりです。
15年程前の彼のキレキレの演奏、聞いてみたかったです。
by そらへい (2024-06-16 20:43) 

そらへい

タックンさん
こんばんは

絵を描くのは小さい頃から好きだったので高校は美術部に
しかし、青春の悩み?で途中で退部してしまいました。
でも、20代の頃までは暇があると
スケッチブックをとり出して何か描いてましたね。
そうですね。ジャズ喫茶でなくても気に入ったマッチがあると
持ち帰ってコレクションしてました。
洗練されていないけれど味わいのあるマッチがありましたね。
by そらへい (2024-06-16 20:52) 

hoshikura

そらへいさんへ
素晴らしい趣味をお持ちですね。
スケッチと音楽♬
素晴らしい別の世界があるのですね。
沢山の分野があって、どんな世界も奥が深いものだと感じる歳となりました。
by hoshikura (2024-06-17 21:42) 

そらへい

hoshikuraさん
こんばんは

若い頃から数えるといろいろなことに手を出しています。
好きなことだったり憧れがあったり
絵は鉛筆を持つと何か描いていた時がありました。
音楽は全然駄目なのでずっと憧れて聞いてきました。
今は畑ですかね。途中で嫌になったこともありますが
時間が出来て少しじっくり取り組めるようになってきました。
畑も奥が深いですね。
by そらへい (2024-06-18 20:12) 

たいへー

これは私も買いました。 
ジャズ喫茶のシステムで聴いてみたいものです。
by たいへー (2024-06-19 08:07) 

そらへい

たいへーさん
こんばんは

Blues Walkお持ちでしたか。ルー・ドナルドソンのアルトと
コンガの軽快なリズムがいいですね。
今のSPのワンランク上のビンテージJBLが欲しいのですが
大きすぎて部屋に収めるのが大変
それにジャズ喫茶なみの音も出せませんしね。
by そらへい (2024-06-19 19:58) 

sigedonn

ご無沙汰してます。1969~71年、その後と高校在学中から足しげく通った喫茶店の名前がたくさん載った地図。青春の蹉跌が詰まった紫煙と薄暗がりとお腹に共鳴する音。B♭、ジャマイカ、アクト、BOSSA、みどり、A&M、蘭廊亭、スマイル、忘れてしまったほかの店。缶ピースとオイルライターをあるときは、素手に持ち、小さめのスケッチブックやリングノート、薄手の詩集などを小脇に抱えて入店する。
ルー・ドナルドソンのアルトがそんな時代に半世紀引き戻してくれました。
by sigedonn (2024-06-22 10:45) 

そらへい

sigedonnさん
こんにちは

梅雨入りしました。北海道は今、初夏に輝いているのでしょうね。
札幌で若いころを過ごされた方には
「ジャズ日本列島」の地図は懐かしいでしょうね。
私はただの通りすがりでしたが、 sigedonnさんには
店の佇まい、店内の様子、通われた道などが
様々に思い出さるのではないでしょうか。
いっぱいのコーヒーで暗がりに身を沈め
紫煙に包まれて、身体いっぱいのジャズを浴びたあの頃から
ほぼ半世紀が経ってしまいました。
by そらへい (2024-06-22 12:33) 

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